退職を考えたときは、同僚へ相談する前に、雇用契約の期間、就業規則の退職手続、担当業務、残りの有給休暇、退職後に必要な書類を確認します。保育現場では年度・行事・担当クラスを意識しやすい一方、個人の契約内容や事情も異なります。「年度末まで絶対に辞められない」「伝えればすぐ辞められる」と一律に判断しません。
退職を申し出る前の8項目
- 期間の定めがある契約か、期間の定めがない契約か
- 契約満了日と更新に関する記載
- 就業規則の退職申出・書式・提出先
- 有給休暇の付与日数と残日数
- 賞与、退職金、借上げ社宅等の条件
- 担当クラス、係、行事、記録、鍵・端末等の引継ぎ
- 健康保険、年金、雇用保険、住民税の手続
- 転職先の入職日と、労働条件の書面確認
口頭で聞いた運用だけではなく、雇用契約書、労働条件通知書、就業規則、給与明細、休暇管理画面など自分が確認できる資料をそろえます。他の職員の個人情報や園の機密資料を持ち出してはいけません。
伝える内容を感情と手続に分ける
退職面談では、退職の意思、希望日、必要な手続、引継ぎ計画を分けて伝えます。職場への不満をすべて説明することと、退職手続を確定することは別です。ハラスメント、安全、健康上の問題がある場合は、通常の引継ぎより先に自分の安全と公的・専門的な相談先を確保します。
- 正式な提出先と書式
- 希望退職日の取扱い
- 引継ぎ内容と担当者
- 有給休暇の申請方法
- 貸与品の返却方法
- 退職時に受け取る書類と送付先
保育の引継ぎは「子どもの情報」と「業務の進め方」を分ける
引継ぎ資料は園のルールに従い、必要な相手へ、必要な範囲で作成します。個人情報を私物端末や個人クラウドへ保存しません。
| 区分 | 確認する内容 |
|---|---|
| 保育計画・記録 | 月案・週案・個別計画・記録の保管場所、作成途中の範囲 |
| クラス運営 | 日課、役割分担、物品、環境設定、保護者連絡の園内ルール |
| 行事・係 | 進捗、期限、関係者、発注・提出状況 |
| 安全・健康 | 園内規程に基づく申し送り、緊急時対応、必要な関係職種との連携 |
| アカウント・貸与品 | 鍵、名札、端末、制服、園のアカウント等の返却・停止 |
「全部口頭で伝えた」状態を避け、誰へ、何を、いつ引き継いだかを園内の方法で確認します。一方、退職後も問い合わせへ無制限に対応する前提にせず、在職中に引継ぎの完了範囲を確認します。
退職時に受け取る書類を確認する
- 源泉徴収票
- 雇用保険被保険者証に関する確認
- 離職票(必要な場合)
- 健康保険資格喪失に関する証明(必要な場合)
- 年金・住民税等の案内
- 退職証明書(必要に応じて請求する場合)
必要書類と交付時期は、転職先の有無や手続によって異なります。送付先住所、氏名変更、受取方法を退職前に確認し、届かない場合の問い合わせ先を記録します。
転職先は内定連絡だけでなく条件書面を確認する
現職へ退職を申し出る前に転職先を確定させる場合は、内定の口頭連絡だけでなく、雇用主、契約期間、勤務地、業務、賃金、勤務時間、休日、入職日を労働条件通知書等で確認します。求人票と違う点があれば、承諾前に質問します。
労働条件通知書チェックリストと求人票比較ツールを使い、現職を離れる前に重要条件を同じ項目へ揃えてください。
話合いが進まないとき
退職日、契約期間、有給休暇、損害賠償等について対立がある場合は、SNS上の体験談だけで判断しません。雇用契約書・就業規則・申し出の記録を整理し、都道府県労働局の総合労働相談コーナー、労働基準監督署、法テラス、弁護士等、内容に合う窓口へ相談します。